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フラッグフットボールの
ルール完全ガイド
【ルール解説】2026.09.04 公開|FLAG START編集部
3行でわかる
- IFAF公式(5人制):コート50×25ヤード、前後半20分、タッチダウン6点+トライ1点/2点
- QBは7秒以内にパスか手渡し。QB自身は走れない。ゴール前5ヤードはパスのみ
- ブリッツは7ヤード超の位置から、片手を挙げた最大2人に優先権
この記事は、オリンピック(LA2028)や世界選手権で使われるIFAF公式ルール「International Flag Football Rules 2023」(5人制・非接触)を解説します。全60ページの原文を直接確認して書いています。
学校の授業では簡易化されたルールが一般的です。授業や子どもの体験について知りたい方は、授業のルールとの違いと保護者向けガイドから読んでください。
目次
1分でわかる基本ルール
- 5人 対 5人。タックルの代わりに、相手の腰のフラッグ(旗)を取ったらプレー終了
- 攻撃は毎回自陣5ヤードからスタート。4回以内に中央線を越え、さらに4回以内にタッチダウンを狙う
- タッチダウンは6点。その後の追加点は5ヤードから1点・10ヤードから2点を選べる
- QBはスナップから7秒以内にパスかハンドオフをしなければならない
- タックル・ブロックは反則。キックオフ・パント・フィールドゴールは存在しない
言葉の意味:QB=ボールを最初に受け取って投げるか手渡す人/スナップ=プレー開始でQBにボールを渡すこと/ハンドオフ=味方に手渡すこと/スクリメージライン=プレーが始まる線/タッチダウン=相手陣地の一番奥(エンドゾーン)にボールを持ち込むこと
これだけ知っていれば試合は観られます。ここから先は、条文レベルの正確な規定です。
コート・人数・用具
| コート | 縦50ヤード(約46m)×横25ヤード(約23m)。両端にエンドゾーン各10ヤード。サッカーコートの半分弱のイメージです |
|---|---|
| 人数 | コート上5人。登録は最大15人(5人+控え10人) |
| チーム構成 | 公式ルールでは同性のチーム(男子・女子別)。ユース・ジュニアの大会規定では男女混合が認められる場合があります |
| ボール | 楕円形。一般用のほかユース用・ジュニア用のサイズ規定あり |
| フラッグ | ベルトで腰の左右に1本ずつ。長さ・幅・取り付けの規定あり |
| 防具 | 不要(ヘルメット・肩パッドは存在しない) |
IFAFルール自体に「会場や年齢に応じて、コートの縦横を一定範囲で増減できる」という規定があります。また登録人数も大会規定で変わります(例:LA2028オリンピックは1チーム10人、2026年世界選手権の日本女子は14人)。「大会によって少し違う」は仕様です。
試合時間と時計
| 試合全体の時間 | 前半20分+後半20分=計40分。ハーフタイム2分。実際の所要時間は1試合1時間弱です |
|---|---|
| 時計の進み方 | 原則流しっぱなし(ランニングクロック)。各ハーフ残り2分になると、ファーストダウン獲得・攻守交代・ボールやランナーが外に出たときなどに時計が止まります |
プレーごとの時間(試合時間とは別に数えるもの)
| プレー開始まで | レフェリーの合図(レディ・フォー・プレー)から25秒以内に次のプレーを始める |
|---|---|
| タイムアウト | チームが取れるタイムアウトは1回60秒以内 |
テンポの速さがこの競技の持ち味です。
攻撃の進め方(4ダウン制)
攻撃のスタート地点は、試合開始・得点後・4回で更新できずに攻守交代したとき、いずれも自陣5ヤードです(例外はインターセプト。守備がパスを奪った場合は、止まった地点から守備側の攻撃が始まります)。そこから——
- 4回(4ダウン)以内に中央線(ミッドフィールド)を越えると、新しい4回がもらえる
- その4回以内にタッチダウンを狙う
- 4回で達成できなければ攻守交代。相手が自陣5ヤードから攻撃開始
中央線越えによるダウン更新は1シリーズに1回だけです。一度中央線を越えて更新した後、反則などで自陣側に戻され、もう一度中央線を越えても、2回目の更新はありません(IFAFルール5-1-1)。
得点
攻撃の目標はタッチダウン=ボールを持って相手陣地の一番奥(エンドゾーン)に入ること、またはエンドゾーン内でパスを捕ること。まず基本の得点、次に特別な場面の得点です。
| プレー | 得点 |
|---|---|
| タッチダウン | 6点 |
| トライ(タッチダウン後の追加点):5ヤードから成功 | 1点 |
| トライ:10ヤードから成功 | 2点 |
| トライ中に守備がボールを奪ってタッチダウン | 守備側に2点 |
| セーフティ(自陣エンドゾーン内でフラッグを取られる等) | 相手側に2点 |
| トライ中のセーフティ | 相手側に1点 |
「6点+1点 or 2点」の構造なので、スコアは7点刻みになりません。試合終盤に1点を取るか2点を狙うかの駆け引きが生まれるのがこの得点設計の面白さです。詳しくは点数の見方の解説へ。
パスと「7秒ルール」
- QB(クォーターバック)はスナップから7秒以内にパスを投げるかハンドオフしなければならない。超えるとその場でダウン消費(IFAFルール7-1-3)
- 前パスは1プレーに1回、スクリメージライン(プレー開始線)の手前からのみ
- パスをキャッチする瞬間は、地面に触れた状態でボールをコントロールしていることが必要
7秒ルールがあるため、フラッグフットボールのQBは「持って待つ」ことができません。テンポが崩れず、守備が毎回勝負できるのはこの規定のおかげです。
ランとノーランゾーン
QBからハンドオフを受ければランで前進できます。ただし、走りに関する重要な規定が2つあります。
QBは、ボールを持ったままスクリメージライン(プレー開始線)を越えて走ることが禁止されています(IFAFルール7-1-3-e)。例外は、守備がボールに触れた後や、いったん味方が持ったボールが戻ってきた場合など。前進の手段は、パスか、ハンドオフを受けた選手のランです。
両ゴール前5ヤードはノーランゾーンです。スクリメージラインがこの区域にあるとき、攻撃はパスプレーをしなければなりません。ゴール前の「押し込み」が存在せず、最後は必ずパスの技術勝負になる設計です。
※リーグ・大会によっては別の位置にもノーランゾーンを設ける場合がありますが、IFAF公式ルール2023ではゴール前のみです。
守備のルール(ブリッツ)
守備の中心はパスカバーとフラッグ取りですが、QBへ向かう「ブリッツ」には細かい規定があります。「構える位置」と「合図」で、できることが変わります。
| スナップ時の位置 | 合図 | できること |
|---|---|---|
| スクリメージラインから7ヤード超 | スナップ前の最後の1秒間に片手を頭上にはっきり挙げる | 「ブリッツァー」としてQBへ向かえる。進路の優先権あり(攻撃側が進路をふさぐと反則)。同時に最大2人まで |
| スクリメージラインから7ヤード超 | なし | QBへ向かえる(優先権はない) |
| 7ヤード未満 | — | QBがパス・ハンドオフ(またはそのふり)をするまで、スクリメージラインを越えられない |
ブリッツが来るのか、来るなら誰か——スナップ前の1秒の読み合いは、観戦していて最もスリリングな瞬間のひとつです。ポジション解説もあわせてどうぞ。
代表的な反則
| 反則 | 内容 |
|---|---|
| 接触(コンタクト) | タックル・ブロックを含む接触プレーは禁止 |
| フラッグガーディング | 手や腕でフラッグを隠す・払うなど、フラッグを取りにくくする行為 |
| ジャンピング | ジャンプしてフラッグ取りをかわす行為。フラッグガーディングの一種として反則 |
| イリーガルシグナル | 7ヤード未満からのブリッツ合図、3人以上の同時合図など |
| ディレイ・オブ・ゲーム | 25秒以内にプレーを開始しない |
罰則は多くが5ヤードの前進・後退で、状況によりダウン消費やファーストダウン付与が伴います。
攻守交代・インターセプト・延長
- 4ダウンで更新できなかったら:相手が自陣5ヤードから攻撃開始(その場からではありません)
- インターセプト(パスを奪う):守備はそのままリターンでき、持ち込めばタッチダウン。止まった地点から新しい攻撃シリーズが始まります
- 同点で終了したら:延長(タイブレーカー)方式。交互に攻撃し、決着がつくまで行います
学校の授業のルールとの違い
日本では全国の小学校の約3分の1が体育の授業でフラッグフットボールを実施していますが、授業で使われるのはこの公式ルールそのものではなく、簡易化されたルールが一般的です。
| IFAF公式(この記事) | 授業でよくある形 | |
|---|---|---|
| 人数 | 5人制 | 3〜5人程度に簡易化(学校・教材による) |
| コート | 50×25ヤード | 体育館・校庭に合わせて縮小 |
| ルールの細部 | 7秒ルール・ブリッツ・ノーランゾーンあり | 省略されることが多い |
| 共通する核 | フラッグを取られたら終わり・接触禁止・作戦を立ててから1プレー | |
授業のルールは学校や使用教材によって異なります。授業を受ける側・教える側それぞれに、子ども向けの授業ガイドと先生向けの授業ガイドを用意しています。
実際の試合はどうなるか(実測データ)
ルールを知ったら、実際の点の入り方を見てみましょう。2026年世界選手権の全84試合(不戦勝を除く)をFLAG STARTが集計した結果——
- 勝ったチームの平均は35.8点、負けたチームの平均は23.2点
- 両チームの合計点は1試合平均59.0点(上の2つの平均を足した数字です)
- 相手を0点に抑えた完封は84試合中わずか1試合
キックがなく、攻撃が毎回5ヤードから始まり、7秒ルールでテンポが保たれる——この記事で見てきたルールの帰結が、この点の入り方です。詳しくは数字で見るフラッグフットボールへ。
ルールがわかったら、次は実際にやってみる
全国136チームから体験先を探す観戦の予習なら
5分でわかる観戦ガイド出典:IFAF「International Flag Football Rules 2023(5 on 5 / non-contact)」原文(全60ページ)——コート寸法(Rule 1)、試合時間・時計・タイムアウト(Rule 3)、ダウン制と攻守交代(Rule 5)、スナップ・7秒制限・ブリッツ(Rule 7)、得点(Rule 8)、フラッグガーディング等の定義(Rule 2)。試合統計はIFAF公式リザルト(2026年世界選手権・不戦勝を除く84試合)よりFLAG START集計。大会・リーグにより年齢や会場に応じた規定変更が認められています。実際の大会に出る場合は、必ずその大会の要項・規則をご確認ください。2026年9月4日時点。